胃がん
早期発見が難しい胃がん
胃がんは、胃壁の内側にある粘膜に発生します。がんは粘膜から徐々に粘膜下層、固有筋層、漿膜へと外側へ広がっていきます。がん細胞が粘膜または粘膜下層までにとどまっている場合を「早期胃がん」、筋層より深く達した場合を「進行胃がん」といいます。
早期胃がんは、粘膜内にとどまっていますが、だんだん大きくなってくると、胃壁の下の層へと進んでいき、やがて隣接する組織に浸潤したり、リンパ系や血管を通して遠くの組織に転移したりすることになります。

胃がんの初期症状はほぼない
胃がんは、早期にはほとんど自覚症状がありません。一般的には、ある程度進行してから症状が現れますが、その症状は胃の痛み、不快感、胸やけ、吐き気、食欲低下など、他の上部消化管疾患と似ています。そのため、定期的に胃カメラ検査を受けなければ早期発見は困難です。
胃がんの進行とともに現れやすい症状
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胃やみぞおち周辺の痛み
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胸やけ
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胃もたれ
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吐き気
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食欲不振
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タール便(黒くて粘り気の強い便)
胃がんの死亡率は減少傾向
胃がんは昔から日本人に多いがんで、現在、国内で年間10万人以上が胃がんの診断を受けています。ただし、治療方法の確立、胃カメラ検査による検診・ピロリ菌感染検査と除菌治療の普及により、胃がんによる死亡率は減少傾向にあります。
治療による心身への負担、再発リスク、治療後の生活の質を考えると早期発見と治療はとても重要です。早期の胃がんを発見するためには、定期的に胃 カメラ検査を受けましょう。
鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ検査
当院では基本的には鎮静剤の使用を推奨しております。眠ったままの状態で検査を受けることが可能となっております。ほとんどの方は無痛で検査を終える事ができます。鎮静剤は、患者様の年齢や体格、既往歴などを十分考慮した上で慎重に見極めて投与量を最小限にコントロールしています。胃カメラ検査に苦手意識がある方も安心してご相談ください。鎮静剤を用いることで高倍率の拡大が可能な経口胃カメラ検査を負担なく受けていただけますので、リスクに合わせた精緻な検査が必要な場合もリラックスした状態で検査が行えます。

特殊光(NBI)×拡大内視鏡による早期がん診断
当院では基本的には鎮静剤の使用を推奨しております。眠ったままの状態で検査を受けることが可能となっております。ほとんどの方は無痛で検査を終える 事ができます。鎮静剤は、患者様の年齢や体格、既往歴などを十分考慮した上で慎重に見極めて投与量を最小限にコントロールしています。胃カメラ検査に苦手意識がある方も安心してご相談ください。鎮静剤を用いることで高倍率の拡大が可能な経口胃カメラ検査を負担なく受けていただけますので、リスクに合わせた精緻な検査が必要な場合もリラックスした状態で検査が行えます。
通常内視鏡検査

NBI併用拡大観察

通常内視鏡検査で胃にやや目立つ赤みがあります(黄色円)。通常内視鏡だけでは炎症なのか、癌なのか判別がつけにくい病変です。
右側の画像は、拡大内視鏡という特殊な内視鏡で 、黄色円部分を100倍程に拡大し、NBIを併用して観察したものです。拡大内視鏡+NBI観察を用いることで、癌に特徴的な血管や構造のパターンを認識し、正しく癌と診断することができました。
胃がんの治療と早期発見の重要性
かつて日本では、胃がんはがんの罹患者数や死亡率で常にトップの位置を占めていました。そのため、胃がんに関する研究が進み、現在では、治療法も確立されています。
治療による心身への負担、再発リスク、治療後の生活の質を考えると早期発見と治療はとても重要です。早期の胃がんを発見するためには、定期的に胃カメラ検査を受けましょう。
●早期の胃がんの場合
内視鏡による手術(内視鏡的粘膜切除術:EMR、内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)。
侵襲の少ない手術ができれば、心身の負担を最小限に抑えられ、入院期間も約1週間で済みます。
●進行胃がんの場合
浸潤や転移のおそれがある場合には、それぞれの状態に合わせて手術・化学療法・放射線などを行います。
治療期間が長くなり、心身への負担も大きくなる 可能性があります。
